災害派遣医療チームとして東日本大震災直後に現地へ

最大震度7の強い揺れと国内観測史上最大の津波を伴った2011（平成23）年3月11日の東日本大震災発生直後、DMAT隊員＊であった私は阪神・淡路大震災の時にも派遣されたという経験も買われ、すぐさま要請を受け東京DMATとして東京消防とともに宮城県北東端の太平洋沿岸に位置する気仙沼市に派遣されました。

現地の報道でもありましたように津波により全てが流されてしまうという光景を目の当たりにし、津波被害のなかった阪神淡路大震災との違いに驚愕しました。私は医師として各行政機関、消防や警察、自衛隊などの関係機関と連携しながら、被災地域や災害現場、避難所での医療活動や病院支援、そして広域医療搬送を行い日々が過ぎました。

DMAT隊は本来3日間の日程で現地活動し交代するものなのですが、この時は福島原発と新潟の大雪の影響で１週間以上東京に戻れない、という異例な状況になり正直大変過酷な行程でした。しかし被災者の方々と長く触れ合えることができ、救急医としてこのような場で皆様のお役に立てたことは非常に幸せでありがたいことだったと感謝しています。