コラム

院長 諸井 隆一

これまでの救急救命医としての経験と知識を
地域医療に生かしていく。

救急医が憧れだった

もともと、東京女子医大第二外科に入局した頃は外科を担当していました。その後2年生で救急科に行くことになり、それから開胸や手術などの様々な手術を担当するようになりました。どのような人も助けられる人間こそが医者であるという思いもあったので、「救急」という分野は自分に合っているものだと思っていました。例えば、飛行機に乗っていて急病人が出て「お医者さんはいませんか?」と尋ねられた時に「はい」と手をあげられるような医師になりたかったのです。

気仙沼での救護活動

気仙沼での救護活動

救急医療の体験として今でも記憶に新しいことといえば、東日本大震災です。
阪神・淡路大震災での派遣の経験があったこともあり、出動要請を受け東京*DMATとして東京消防とともに気仙沼に派遣されました。報道でもありましたように、現地では津波により全てが流されてしまう光景を目の当たりにし、驚愕しました。

*DMAT(ディーマット)Disaster Medical Assistance Teamとは、大規模災害や多傷病者が発生した事故などの現場で、災害発生後48時間以内に活動できる機動性を持つ専門的な教育研修・継続的な訓練を受けた、医療救護活動を行う災害派遣医療チーム(医師・看護師・業務調整員で構成)のこと。阪神・淡路大震災では災害医療について多くの課題が浮き彫りとなり、この教訓から発足したもの。各行政機関、消防や警察、自衛隊などの関係機関と連携しながら、避難所、被災地域や災害現場での救助活動、医療活動や病院支援、そして広域医療搬送を行う。

救護活動を経て

救護活動を経て

通常3日間の活動交代がこの時は福島原発と新潟の大雪の影響で1週間以上留まる異例な状況になり大変過酷な行程でしたが、1日でも長く、1人でも多くの方の命を助ける機会を頂けた事は非常にありがたかったと心底感謝しています。

総合医としての力を地域医療に

総合医としての力を地域医療に生かすことができる

救急医と地域のかかりつけ医の接点は、どんな病気でも診ていくという「総合的な」診断・判断能力だと思うのです。つまり、それが「スペシャリスト」ではなく何でも診られる「ゼネラリスト」である事だと思います。
もちろん、ある専門分野に特化するという事も大切なことだと思いますが(実は私も最初は消化器外科の専門医になろうと思っていました)
実際は、患者さんは自分の病気が外科的なものか内科的なものか判断がつかないことが多い事に気がついたのです。
そんな時に的確な診断や素早い判断をする事ができるのが、総合医なのだと思います。判断如何によっては、患者さんにとって大きな影響を与えてしまうこともある中、そんな時こそこれまでの救急での知識や経験が生かせると思っています。これまでの貴重な経験を決して忘れずに、これからも日々皆様のお役に立てる様にと願っています。

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